2011年 直島特別例会

 
◆高橋 健太(岡山政経塾 十期生)
岡山政経塾  直島特別例会レポート
  『現代アートによる島創り』 〜発想の転換とは?〜



はじめに
 今回初めて直島はじめ犬島・豊島を訪れました。去年、瀬戸内国際芸術祭が開催され、直島をはじめ周辺の島々は多くのメディアに取り上げられ話題となり、直島がアートの島であるということは、もはや定着しつつあります。しかし、正直私自信は直島についての知識はなく、どのような島なのか?どんな作品があるのか?など全く知りませんでした。しかしながら、今回の直島特別例会での目的は「見る・聞く・体感する」ということなので、あえて事前に何も調べずに、自分が作品と一体となった島々を初めて見た時に何を感じ、何を考えるのか?ということを楽しみに、またそれを課題として今回の特別例会に臨みました。


「島と現代アート」
  私は今回の特別例会に臨むにあたり、一つの疑問を抱いていました。それはなぜ過疎化の進む島々をアートの島にしていこうと思ったのかということです。言い換えるならば、なぜ交通の便が悪い島なのか?なぜ観光施設などではなく現代アートなのか?そこが理解できませんでした。しかし実際に訪れてみて私の中で一つの答えを見出だしました。自然に囲まれた中に近未来的な形をした建築物が並んでいる。そして様々なメッセージ性をもっている不思議な作品が並んでいる。そこへフェリーに乗って海を渡って行くことで、現実社会を離れた異空間にいるような錯覚に陥ることができる。そして日々の生活から離れ、作品に没頭し、普段気付かないことまで感じることができるのではないかと思います。それがあえて島を選んだ意味であり、また現代アートを選んだ意味なのだと思います。また、現代アートによる島の観光事業は世界にも類はなく、他の観光事業と差別化を図ることができ瀬戸内海にうかぶ小さな島が世界的脚光を浴びている要因だと思います。


「現代アートを体感して」
 今回訪れた島々では数々の現代アートを見させて頂きました。正直、今の私の感性では理解できる作品はほとんどありませんでした。しかし、唯一、ジェームズ・タレル氏の作品には衝撃を受けました。当たり前に存在しているとおもっていたスクリーンが実は空間で中に入っていくことができる。非常に不思議な感覚で常識に捉われていた自分を感じました。同時に色々な角度から、また色々な考え方で物事を見ていく必要があると強く思いました。西美さんが「現代アートの感じ方に正解はない」と言われていましたが、まさにその通りだと思います。この作品を見て私が感じたことは他の方々とは違うと思います。しかしそれが現代アートであり、魅力なのだと思います。今度は他の作品も違う角度から見てみたい。きっと何か感じさせてくれるだろうと思います。


「豊島の産廃問題」
 私は今回初めて豊島の産廃問題について詳しい内容を知ることができました。豊島の産廃問題は一時期メディアなどにも取り上げられていましたので、私も聞いたことはありましたが、あれほど酷い状況になっていたことは島に訪れるまで全く知りませんでした。改めて「産業廃棄物の問題」について考えさせられました。
 豊島をアートの島にするということは、島の活性化という目的は勿論、アートをきっかけに豊島の産廃問題について考える動機づけになると思います。それは一部の人を対象にした施設などではなく、アートであるからこそ老若男女問わず幅広い年齢層の方々が島を訪れ、豊島の産廃問題について考える良い機会を与えていると思います。
 二度と同じ過ちを繰り返さないために・・・。


おわりに
 私はこの二日間で「発想の転換」を強く感じました。「発想の転換」は人から教わることはできません。なぜなら、それを言葉や文章に置き換えることが難しいからです。今回の直島例会に参加し、現代アートを見て、聞いて、体感することによって、「発想の転換」のヒントを少しですが得たような気がします。現代アートが魅力的で人を惹き付けるのは、そこに「発想の転換」があるからだと言っても過言ではないと思います。よって、直島はアート的観光事業という「発想の転換」によって成功し、国際芸術祭が終了した今でも訪れる人が絶えないのでしょう。
 「発想の転換」=「人を惹き付ける(魅力)」
 自分が魅力的な人になるために、この「発想の転換」を常に頭に置いておくことがこれからの自分には必要な気がします。そして、魅力的な会社・魅力的な岡山、また魅力的な日本・世の中まで創っていけたらと思っています。