2003年 松下政経塾特別例会

 
◆山田 浩三(岡山政経塾 二期生)

岡山政経塾9月特別例会



建塾の理念
 多くの人が順調と思える戦後復興の中で、松下翁はすでに行き詰まりを感じておられ、国民平等に政治に口出しが出来て、いかにあるべきかを考えて松下政経塾を創設されたと聞きました。
 「国に運命がある限り、役に立つ存在となるであろう」に考えさせられました。
 誰もが感じていたことかもしれません。しかし、25年前という時代背景とあの年齢で実現されたパワーに敬服します。

古山塾頭 「自習自得」
 この言葉の重さに身が震えました。大事なことは教えるに教えられない。
 韓国でコピー塾が出来たのにもかかわらず、15年たっても政治家が産まれないことに、理念の差を考えた自分です。
 人はいかにして育つのか。学びたいけれども、現状の私に吸収する力があるのか、情けないと思いながらも、学べる環境にいることに感謝しました。

藤崎育子氏講演「訪問相談の現場から、不登校、引きこもりの問題」
 教師ほど現場に直面しているわけではありませんが、私の職業柄、この問題は相談を受けることが多く、私の人生でも大きなテーマとなっています。
 取り組ませていただく場合、1年以上、長ければ数年という心構えで相談を受けさせていただくのですが、当事者であるご両親に認識といいますか、心構えが薄く、単純に解決出来るものだと考えておられる方が多いです。私よりもご両親が途中であきらめることが多いのが現状です。
 親が子供に対して生きざまを見せなければならないのに、「自分は楽をしたい」、カウンセラーなどにまかせたのだから、面倒なのはイヤという姿勢が許容されると誤解しているのが問題であると考えます。
 そういえば、私がこれまで受けた相談はすべて男子生徒でした。

小沢一彦氏講演「国際政治について」
 第二次世界大戦後の二極化構造が崩壊し、民族・宗教・文化などの問題に対する比重が高くなってきました。
 政治・経済・軍事を考えなければ国際社会のうねりの中で生き残るのは、難しいのではないかと私は考えます。「平和念仏」を唱えていれば平和になれるというおめでたい主張がまだ通用している日本に危機感を感じます。
 政治が国民に対し、現実と選択、進むしかない方向性を示す覚悟があるか疑問です。
 数ヶ月前に防衛研究所研究室長の講演を聞く機会がありましたが、先制予防攻撃の発想は、1992年の環境問題における予防措置の解釈ということでした。
 超大国アメリカの論理にどのように対抗していけるのか、難しい問題だと思います。

橘秀徳氏講演「少子高齢化における日本の舵取り」
 急速に現象していく日本の人口推計に驚き、恐怖を感じました。
 高齢化と人口減少の及ぼす影響を国民がもっと知り、このままでいいのか、子供を育てやすいバックアップ体制を考えた増子策かの選択をするべきと考えます。
 第二次世界大戦後の、先進国といわれる国にある程度共通している問題とは思いますが、これも「自分の時代」がよければいいという価値観により、日本では問題化されていないのではないでしょうか。
 私のテーマである都市政策は、子育てがしやすい環境を社会がいかにバツクアップ出来るかというものです。トロントモデルの良い面を岡山の地に根ざすことが出来ないかを考えていますが、橘氏のお話の中にトロントの題材がり、正直ホッとしました。
 空を見ているが星を見ていないことのないよう、具体策を検討していきます。

上里直司氏講演「人材開国から多文化共生国家を目指して」
 戦後日本の経済発展、豊かな社会背景とキツイ仕事を嫌う風潮、賃金体系、見て見ぬふりなど、私にはマイナスの要因の皺寄せが、この問題を顕在化させているように感じてなりません。
 国家政策としての受け入れでなく、なし崩しでこれまで見逃してきたことが大きいと思います。
 橘氏の主張されるメリット・デメリットを、身近な地域の問題として考える時なのでしょう。


最後に
 「人間とは何か」

 帰りの新幹線の窓から見える、ホームにいるサラリーマン、家族連れや過ぎ去っていく家並みの電灯の下にいる人々を想像しながら、同じ日本に住む者として、私はこれから何を学び、何を為すことが出来るのか、常に考え続けていくのだろうなと思いながら、岡山に戻りました。
 日本の同胞(はらから)、世界の同胞と手をつなぐ必要を感じます。
 このような機会を与えていただいたことに感謝いたします。