2003年 松下政経塾特別例会

 
◆新田 祐子(岡山政経塾 二期生)

《松下政経塾合宿》



1.はじめに

 7月の直島合宿で、私たち岡山政経塾をはるばる訪ねてきて下さった松下政経塾の皆様を、このたびは私たちの方が茅ヶ崎まで訪ねていく合宿だった。
岡山政経塾にはいるまで、「松下政経塾」という存在自体が次元が違う世界だと思っていたので、実感がわかなかったが、あらゆる意味で収穫のある一泊二日だった。



2.藤崎育子講師の講話について

 最近「ひきこもり」「不登校」という言葉が浸透し、それがどんな状態か大体分かっていたものの、自分とは無縁のものだと思っていたが、社会問題として見直すきっかけができた。
 前述したとおり、最近になりひきこもり、不登校が問題としてとりあげられるようになり、藤崎講師のように現場で社会復帰の支援をするという対策も進展してきた。
 どうしても甘えや情が出てしまうため、ひきこもりになってしまった人は身内や本人だけの力では克服しづらいものがあるから、外部から接触し、少しずつ心のケアをしていくことで救済する、そんなシステムが確立されつつあることはとても意義のあることだ。
 ひきこもりを抱える家族の多くがひきこもっている人には親しい人間関係が必要ではないかと考えている。コミュニケーションのとり方がわからない、そんな人、子供を少数派として切り捨てるのではなく、手助けしてあげる教育への意識改革が家庭でも学校でも必要となってくる。

 「学校に行くだけがすべてじゃないんだよ」ときれいごとでその人の人生を終わらせることは簡単なことだ。甘やかすだけなら誰にでも出来るからこそ、少し厳しい鞭を持って社会生活へ連れ戻さなくてはならない。
 もちろん、教育だけではなく、公的機関、専門機関を数十万、百万人を超えるといわれるひきこもりに対応すべく整備を急がなくてはならない。
 ひきこもりに対応できる専門医が200人もいないとされている現状では、公的機関、や専門機関への不満はいつまでたっても解決されない。ひきこもりの平均年齢は、89年では21.8歳だったのが03年では26.6歳と年齢が上がりつつある。となるとその子を抱える親も高齢化していることとなり、その精神的、経済的負担は大変大きいものとなってしまう。

 ただ、私はひきこもってしまってから第三者に頼るのではなく、ひきこもりにならないように自分で自分の心のケアをすることも大事だと考える。
 この夏休み、私は半分以上ひきこもっていたんだと、藤崎講師のお話で確信した。人と話すことが怖い、何をしても悪いほうに考える異常事態に陥っていることに気付かなかった時期があったが、それに気付いたとき、自分なりに改善するよう努めてなんとか解決法を編み出した。
 社会が怖いと逃げ出すのではなく、そんな恐怖と向き合っていけモチベーションを持続する力を身につけていく、「ひきこもり予防」を本人も、周囲もこころがけなくてはならない。



3.橘秀徳塾生の発表

 今分科会で取り組んでいるテーマとぴったりだったので、刺激を受けた。私なりに考える少子・高齢化の問題は、「結婚しない、子供を持たない選択をする人が増えており、結婚=幸せ、子供=幸せの方程式が崩れている」ということだと考える。
 結婚、出産が当たり前でない社会、時代に一度なってしまったら、なかなか元通りにはならないことへの危機を感じるからだ。年金や、税収減、優秀な人材確保の困難等、子供を生まないことは個人の問題であっても、それが積み重なれば国家存亡の危機まで発展する。

 政府が少子化対策を打ち出しても、それにより、「よし、生もう!」という気持ちになるのかと考えてみたら、「?」と思わざるをえない。
 どうやったら意識に変化が起きるのか、もう日本人が消えてしまうのか考えてみる余地はたくさんある。
 まだ、少子・高齢化について考え始めて数ヶ月なので、分からないことだらけだが、人口は国家の基礎とをなす重要な問題だということは実感している。
 国民に少しでもそのような危機を持つ人が増えるよう、また、児童虐待等を引き起こす閉鎖的な育児の負の一面に対応すべく、政治は働きかけなくてはならない。そんな時期に日本は陥っている。
 日本がなくなるのは、いやだ。



4.その他

 この合宿で岡山政経塾内の、絆、交流が深まったことがとても嬉しかった。100キロ歩行での一期生の先輩方の猛烈な連帯感に不気味さを感じていた私ではあったが、この合宿で塾生との距離が縮まった気がして、あと半年で先輩方のような「THE・仲間」みたいな雰囲気を作り上げていくベースが二期生にもできたのかな、と思った。
 古山塾頭のおっしゃった「縁」の大事さ、ありがたさに心から感動、感謝した二日間だった。
 遠く離れているものの、自習自得の精神で研究に取り組んでいる松下政経塾の皆様からも素晴らしい刺激を受けた。人と出会えるって素晴らしい、ありがたい、おもしろい。
 松下政経塾のお茶室にかかっていた「素直」という言葉の単純な中にある重要さを心に留めて、残りの半年間を過ごしたい。



参考にした本:「日本の論点2003」文藝春秋社