2011年 松下政経塾特別例会

 
◆義若 智康(岡山政経塾 十期生)

《松下政経塾合宿レポート》
  『自分の使命』




【1.はじめに 】
 日本の政治・経済に影響を与え、若いリーダーを養成され続ける松下政経塾でその理念に触れる機会を戴いたことに感謝申し上げます。またこの九月に初の総理大臣を輩出されたばかりでもあり、政策について塾生と議論してみたい気持ちもあり楽しみにしておりました。


【2.講義】
 
 (古山塾頭の講義、松下幸之助塾主のVTR)
 公益財団法人松下政経塾のパンフレットが配られました。塾頭からは重要な個所としてまず設立趣意書の「国家百年の安泰を図っていくためには、国家国民の物心一如の真の繁栄を目指す基本理念を探求していくこと」が重要であると説明されました。物と心は本来一体のもの。物的繁栄の裏側で国民の精神が混乱に陥りつつある。国民の精神を健全にするには指導者の育成開発とのことである。これが塾是のいう「新しい人間観」といえる。又「素直」という言葉について言及されました。やはり塾訓で冒頭に出てくるのですが「とらわれのない心で物事を見ること」という意味と説明されました。先入観があると真実が見えなくなる。塾主は生涯心がけていてどんな方のお話も真摯に耳を傾けておられたそうです。私は塾主の謙虚さには驚かずその「貪欲さ」に思いをはせました。何か一つでも商売のヒントはないかいつもアンテナを張っておられたということではないでしょうか。さらに研修方針で最も重視しているのは徳知体三位一体であると特に徳育であるとお話がありました。
 ここまでの話からして十分に理解できました。
 VTRでは塾主が自習自得の精神の説明で「師はいない」として宮本武蔵を例に挙げられ「上手は出るが名人は出ない」と言われました。全くその通りではありますが逆に「素直」は全てのものを「師」とし吸収していく、これが大人の学問というべきでしょう。「民主主義は経済を追求して生まれた」「自ら発意する政治」「小さい政治で大きな成果が上がる」が気になる言葉でした。私自身は自分の使命、天命とは何か考えながら日々過ごさなければならないと思いを強くいたしました。

 (前神奈川県知事松沢氏秘書、元県議、前回川崎市長選立候補者 福田紀彦氏)
 塾OB の松沢氏が国会議員時代に秘書をされていたという。政策についてお話をされました。川崎市は東京と近いこともあり労働者の6割が東京で働く「川崎都民」と呼ばれる人が多くその世帯が多いことがコミュニティを希薄にさせ投票率36%と政治に無関心にさせていると指摘されました。福祉の町といわれ手厚い政策をしてきたことで財政難となっているという。
 教育について小・中学生の子供の5分の1が都内の私立に進学するという事実を問題視されました。これに関し氏は「公立学校」のカリキュラムに親や地域にかかわらせ運営にも責任を持たせるべきである。更に薩摩藩の郷中(ごじゅう)教育(先輩が先生)や江戸時代の寺子屋をまね徳育させるソーシャルビジネスを育成したいとの持論を展開されました。    私は小さい子を持つ親としてその親たちがどのような志向をもつのかと考えるとブランド好きではないかと想像できる。ならばそれに耐えうるものでなければ振り向かないのではないかと思う。

(茅ヶ崎市議 海老名健太朗氏)
 市議が「国会議員が地域の仕事しかしないことに疑問を感じる」と言われたのにとても共感しました。国政を担当する人が地域のことしか考えないとしたら選挙に追われているのではないかと思っていました。国会議員であれば国政のことを考えてほしいと思います。
 また、氏は市会議員になりたての頃「三河屋さんになれ」と言われがっかりしたそうです。市会議員の仕事を理解してもらうのには時間がかかりそうです。やはり過去の先輩に問題があるのだと思います。市の講演で気になったのが「議員は条例立案能力がない。条例を作るのは難しい」というお話でした。私は条例を立案する仕事が議員のもっとも重要な仕事の一つと思いますしこれこそ議員の価値を引き上げる仕事の一つと思います。
 就業規則を作成する仕事をしている私としてはとても興味深い話です。


【3.二日目】
 私達は靖国神社・遊就館に参りました。私は数年前知覧の特攻隊の記念館に見学したことがあり、それと比較しながら見学していました。若く秀才の学生が軍の方針に素直に従い次々と命を落としていかれました。その展示物をみて胸が熱くなるのと同時に、多くの英霊の犠牲のもと私たちが生かされていることを忘れてはならないと改めて強く感じ入りました。自分が地域の指導者となったらどのような方針で誘導するのか。未来のビジョンを掲げ若者に希望の持てる地域づくりを提案したい。その若者がもしみんな生きていればどんなに素晴らしい日本になっていただろう。近視眼的でなく長期的な視野で未来を語りそれを具現化できる為政者を応援したい。


【4.研修を終えて】
 10年間関東に住んでおりましたが、全てを政治・経済と結びつけてみようとしたので見るものすべてが新鮮に感じられました。参考になるものもありましたが、岡山の良さを再認識もした2日間となりました。私は、自分が何のために生まれてきたのか、なぜ政経塾で学んでいるのかよく考えることができました。