2011年 松下政経塾特別例会

 
◆佐藤 敏哉(岡山政経塾 十期生)
                  平成23年9月29日
《松下政経塾合宿レポート》
  『「自修自得」の精神に学ぶ』




【 1 はじめに(今回の例会で学んだこと)】
 
 「『松下電器は何をつくるところか』と尋ねられたらならば、『松下電器は人をつくるところでございます、併せて商品もつくっております、電気器具もつくっております』、こういうことを申せ」パナソニック・グループがまだ一町工場だった時代の、松下幸之助氏の言葉である。
 今回、松下政経塾を訪問させて頂いて強く感じたのは、「人を育てる」ことと「自修自得」ということへの松下幸之助氏のこの上なく強い情熱とそのことの重要性である。

【 2 松下政経塾の理念 】
 
 松下政経塾の設立趣意書には、日本の諸問題の根本には、「国家の未来を開く長期的展望」が欠けており「国家国民の物心一如の真の繁栄をめざす基本理念」の探求が必要であり、その基本理念を具現していく「将来の指導者たりうる逸材の開発と育成」のため、有為の青年たちが、「人間とは何か、天地自然の理とは何か、日本の伝統精神とは何かなど、基本的な命題を考察、研究し、国家の経営理念やビジョンを探求」し「強い信念と責任感、力強い実行力、国際的視野を体得」する場として、松下政経塾の設立を決意したとの松下幸之助氏の熱い思いが語られている。

【 3 体験・松下政経塾】
 
 9月15日のお昼過ぎ、松下政経塾に到着すると、その威容に圧倒された。広大な敷地に緑が生い茂り、入口にある「アーチ門」のレリーフは、訪問する我々を「何しに来た」と言わんばかり。「黎明の塔」は天まで伸び、茶室はひっそりと佇んでいる。このような環境で塾生の方々は4年間、朝から晩まで研修と鍛錬に明け暮れるとのこと、自堕落な生活を送るわが身が恥ずかしい。
 夕食までの時間、古山和弘塾頭、福田紀彦氏、海老名健多朗氏にご講義頂いた。古山塾頭には松下政経塾の概要のご講義と、松下幸之助氏のVTRを見せて頂いた。福田氏には川崎市政に挑戦する意気込みを、海老名氏には茅ヶ崎市議として新しい試みへの思いなどを熱く語って頂いた。
 夕食後は塾生の方々も交えた懇親会。塾生の方々の志の高さ、思いの強さにまたもや圧倒された。皆さん、それぞれの強い思いを抱きながら学ばれており、ご自分と国家の将来のビジョンを明確に描いておられることがよくわかった。
 翌朝は6時に起床、掃除の後3kmのランニング。汗だくになりながら何とかこなし、朝会に参加させて頂いた後でお別れとなった。余談だが掃除とランニングのせいか、この後数日間足腰が筋肉痛になった。

【 4 おわりに(自修自得の精神)】
 
 私が今回の例会で最も印象に残ったのは、松下氏のVTRでの「すぐに手取り足とり教えていたら『上手』は何人もできるが、『名人』はできない。何年も辛抱させて、それでも残った者から『名人』ができる」とのお言葉である。自修自得の精神の養成の要諦であろう。
 私自身、零細ながら自分の事務所を経営する身であり、また司法書士会という組織の役員(理事)でもある。今回の特別例会で、組織における基本理念やビジョンの重要性、そして何より、根本が「人」である、ということを改めて痛感した。自らが自修自得の精神で学んでいくのはもちろんのこと、自修自得の精神で学ぶことのできる人材を育成することもまた、自らの課題であることを深く胸に刻みこんでおきたい。
最後に、このような貴重な機会を設けて下さった小山事務局長、現地でお世話になった松下政経塾の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。