2007年 松下政経塾特別例会

 
◆今井 裕之(岡山政経塾 六期生)

《松下幸之助の魂が宿る松下政経塾》




 岡山政経塾に入塾した理由のひとつに、松下幸之助氏の思想に触れ、学びの機会を得ることがありましたので、今回の「松下政経塾」での研修は、とても楽しみにしておりました。松下幸之助氏が、なぜ、経営の神様と呼ばれたのか?なぜ、松下政経塾を設立したのか?なぜ、他界された後も志が伝承されていくのか? 2日間の研修での学びは、今後の人生の営みの中で、大切な礎になりました。

【 経営の神様 松下幸之助は名人づくりの天才 】
 松下政経塾の特徴で驚いたことのひとつは、常勤講師がいないということです。「自修自得」という方針は、自分で主体性を持ち、向上心を持ち、自ら学んで習得していきながら研修をすすめ、活動計画の立案、実行、結果にたいして全て自分で責任を持つということです。師がいると、上手になる人は、現れるが世の中を変えるような「名人」は現れないそうです。師をつくらないというより、まわりの誰からも謙虚に学び、実践し、同志と共に切磋琢磨しながら自立していくことが本質のようです。
 また、「現地現場主義」の方針は、さまざまなことに応用され、机上の知識ではなく、現場に出向き、問題の核心に身を置き、当事者となって問題の核心に触れ、解決の核心に触れていきます。
 松下幸之助氏が、こだわった2つに、「掃除」と「お茶」がありました。氏曰く、自分の身の回りの掃除のできない人間に、国の掃除はできない!ただ道を掃除しているのではなく、自分の心を清めるために掃除していく。立派な国際人は、日本の伝統文化を知り、品格と教養のある人間として、お茶(茶道)のひとつもできなければならない。ただお茶を飲むのではなく、心を鎮め、心の平安を作る。
 また、毎日のよき習慣が人格(人間力)をも形成するということから、毎朝、ラジオ体操、掃除(心を清める)、ランニング(健康維持と継続)、鐘の音(心を鎮める)、朝礼(塾是、塾訓、五誓の共有認識)が風習になっていることに、感動しました。
 松下幸之助氏が神様と呼ばれたのは、どんな人をも否定せずに、その人の才能を最大限に生かすために、思想と環境を作り続けて実践してきたからなのではないでしょうか。そして、永続的に日本国家をよりよいものにするためには、よき人材を生み出すための思想(ソフト)と環境(ハード)の両方を兼ね備えた「松下政経塾」の設立と運営が必要だと考え、私財70億円を全て投入してつくりあげたであろう塾主の熱い想いがひしひしと伝わってきました。
 
【 必要とされる人材の要件とは 】
 松下幸之助氏が、面接の際に人を見ていた点は、「運」と「愛嬌」という視点だったそうです。「運」は、どんなことが起こっても、運がいい考え方、捕らえ方ができるかどうか、「愛嬌」は、人を幸せにするための笑顔や雰囲気などの愛嬌があるかということだったそうです。
 逢沢一郎先生が、松下政経塾の入塾面接をする際に見ている点は、「高い強い志」があるかどうかだそうです。具体的には、@ その人が人生を貫くテーマは何か?A その人に原理原則があるか?B 言行一致できているかどうか?だそうです。逢沢先生の言葉に、自分は、何のために生まれ、何を志しているのか?そして、それを今、どれだけ実行しているのか?と問いかけられているように思いました。
 
 岡山政経塾でも、「自修自得」の精神で「現地現場」主義で実践し、学ぶことのできる恵まれた環境を与えていただいていることを今一度自覚し、今後の活動に精進していきます。
 最後に、2日間、引率してくださいました小山事務局長をはじめ、いつも影で支えてくださっております幹事のみなまさに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。