2005年 松下政経塾特別例会

 
◆安藤 英洋(岡山政経塾 四期生)

《松下政経塾例会を終えて》




●松下幸之助の志に触れて
 まず、感じたのは松下政経塾が洋風だったこと。私の勝手な思い込みでは「塾」と付くからには和風なんだろうという認識でした。ところが門をくぐるとアーチ門があり、塔があり、全然イメージと違っていました。今思うと松下塾主の言われる「素直な心」で物事を見ていなかったのでしょう。

 松下政経塾では心の洗われる多くの経験をしました。朝早く起きること、掃除をすること、体を鍛えること、どれも特別なことではないのですが、改めて松下政経塾という場所でもう一つ踏み込んで物事を見ながら行うと全く違うことのように感じました。見る角度、状況、心の持ち方によって世界はまるで別物になってしまいます。その中で本質を見極め軸のぶれない素直な心で常に物事の実体を捉えるということの大切さと大変さを強烈に学ぶ2日間でした。松下塾主の数々のエピソードと松下政経塾の理念を聞き、松下イズムとも言うべき哲学に触れることができたのは非常によい経験となりました。そして、私は一つの結論を持てました。私が岡山政経塾で決意表明した「インタレススティングな人間」になるということがどういうことなのか。人に希望と可能性を感じさせ、バランス感覚に優れた人とはどういう人間なのか。

 それはきっと「強いメッセージ(理念・哲学)を持ち、それを発信し、実行し、共感を呼ぶ人」なのだろうと思います。いかなるメッセージをどれだけ強く持っているか、ということが一番重要なのではないかと思います。これからの生活の中で自分自身のメッセージを探し、発信できたらと思います。それは福武幹事が直島でおっしゃった「自分自身の軸」であり、松下塾主の「直心」を考えるところから始まるのだと思います。

 2日目は昼から何かと話題の靖国神社へ参拝しました。色々な話を聞いていたので、興味深々で行ったのですが、遊就館のきれいさには驚きました。てっきり辛気臭い(表現は悪いですが)ところだと思っていましたので拍子抜けしました。中に入ると戦車やら大砲やら並んでいて「戦争博物館」という表現がぴったりな場所でした。しかし、戦没者の部屋に入ったときには背筋がゾクッとするのを感じました。これまでの部屋とはまるで違う空気が流れているようでした。遺書も何枚も何枚も読みました。当時の世相や考え方は現代と大きな隔たりがあるのでしょうが、彼らが日本と家族のために散っていったのは紛れもない事実として飛び込んできました。そして、その尊い命を越えて今があるのだということでした。戦争が正しいか間違っているかということは抜きにして、ただただその重く辛い事実が私と私の心の上に重く、重くのしかかってきました。太平洋戦争を一言で「間違っていた」ということは簡単ですが、多くの命がその戦争で失われ、正しいと信じ死んでいった人たちになんと返答をすればよいのでしょうか。
 最後に、今、9条改正の話題があります。私は絶対反対です。改正してもすぐには戦争をしないでしょう、しかし100年後、200年後、日本は必ず戦争をしています。歴史は繰り返す。人類4000年の事実がそれを証明しています。その抑止力たる9条は絶対に変えてはならないと考えています。

 松下政経塾の皆さんをはじめ、岡山政経塾の幹事、先輩、同士の皆さんに貴重な2日間の時間を共有させていただいた事について心から
 「ありがとうございました!」