2018年5月 
 丸亀商店街視察

高松丸亀町商店街再開発事業視察
(全国で稀な成功事例の研修)

村上 祐二 (岡山政経塾 17期生)

1. はじめに
平成30年5月26日午後2時30分から本受講生による事前の現地踏査、同4時から約1時間30分 高松丸亀町商店街振興組合 理事長 古川康造氏から、400年の歴史をもつ高松市で最も古い中心的な存在であった商店街が時代の流れにより、現在に至るまでの経緯経過等の説明を受けた。
2. 商店街(組合)のあゆみ
・1949年 高松丸亀町商店街振興組合設立
・1972   丸亀町不動産(株)設立 
町営駐車場の建設
・1988   商店街生誕400年祭開催(108日)
      バブルの絶頂期であったがこのままでは衰退という危機感
      100年先を見据え抜本的な改革必要(振興組合理事長)
・1990  市街地再開発事業計画の実施を決定
商店街をAからGまでの7街区に分ける(全長470m)
・1993  A街区、D街区の再開発に関する調査開始
・1994  A街区の市街地再開発準備組合設立
・1998  高松丸亀町まちづくり株式会社(第三セクター)設立
・2002  A街区市街地再開発組合設立認可
・2006  A街区完成
      ドーム広場&高級ブティック街
      ・スーパーブランド、高級ブティック、フレンチレストラン
       カフェ、大規模書店、マンション
・2007  「高松市中心市街地活性化基本計画」の内閣総理大臣認定取得
・2009  B・Cの一部街区完成
・2010  Cの残り街区完成v       美・健・ファッション街
      ・セレクトショップ、インテリア・雑貨・小物、ヘルシー&
         ビューティー、医療モール/複合介護施設、高齢者向けマンション ・2012  G街区完成
      お祭り広場&地産地消街
       ・市民広場、生鮮市場/フードコート、高級・輸入食材、レス トラン・バー、温泉・スパ&エステ、シネコン
・2018  D・E街区の再開発は検討中、F街区は老朽化が進んだら建替え
     導入予定の施設
     ・生鮮市場、温浴施設、保育園、高齢者福祉施設、高齢者向け
      賃貸住宅、まちなか防災拠点


3. 丸亀町商店街再開発事業の特徴
基本的なコンセプト
「ものを買うだけの商店街」から「時間消費型の商店街」へとつくり変える。
・まちのイメージを共有し、美しい街並みをつくる。
・コミュニティが主体となって都市再生をすすめる。
・事業スキームを工夫する。
そのことによるココならでの特徴
① 所有権と利用権の分離、オーナー変動地代家賃制(イメージ図①参照)
    土地の所有を変えずにビルの床を「まちづくり会社」が取得・運営する事業スキーム、利用については定期借地権契約とする、土地費が事業費に含まれない、全国で初めての試みであった。
地権者(オーナー)が土地を「投資する」ことは「リスク」と「リターン」を伴う、地権者はテナントの売り上げ(一定しない)から家賃収入(リターン)を得るが増減の(リスク)を抱える、地権者・テナント・まちづくり会社は同じリスクを背負い、同じ目標を目指すこととなる。
② 建物は高度利用し高層階を住居とする(イメージ図②参照)             
そして診療所を設けることにより住居を病室化できる。
③ まちづくり会社のスキーム(イメージ図③参照)v     行政からの出資比率を5パーセントとした民間主導型の第三セクター、このような民間主導型の市街地再開発は、全国で初めてで「みんなの街を、街のみんなでつくる」。

高松中心市街地概略図

イメージ図①

イメージ図②

イメージ図③

4. おわりに(所感)
とにかく「素晴らしい」のひと言である。今回の古川氏そして明石氏がよくぞここまでとは、言うまでもない。
しかし、この商店街組合は400年の歴史のうえに成り立っていて、肝が据わり大胆なことがやれることが本講義により垣間見えてきた。それはまずモータリゼーションの時代を見据えて、町営駐車場の建設をしたこと、そしてバブルの絶頂期に危機感から抜本的な改革と称して、4千万円(内2千万円は補助金)かけて調査を指示した当時の理事長の英断によるものと思う。
そしてその指示を受け全国の再開発事業の失敗例を調査したことである。
最終的には、その失敗例を参考に計画を立案したとのことであった。((津山市においても3工区に亘る市街地再開発を実施したが、最後の工区(当初、西武百貨店、最終的には天満屋を核テナントとする、またその中に市立図書館も入るという全国でも稀な官民一体の複合型商業ビルとして全国から視察も多数あった)は、すぐに経営は行き詰まり、市長のリコール成立という異常な事態となった。この時、土地を「買いたし、買いたし」で処理することなく定期借地権で対応していたらそんなことにはならなかったと思われる。))
  いずれにしても、様々な意味で良い経験をした。今後何に取り組むにしても「やる気」ではなく「本気」で進めていきたい。


商店街のシンボル的な場所「壱番街前ドーム広場」